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好きになれなかった社名が誇りに。
活版印刷の魅力にのめり込む若き経営者。

株式会社高山活版社

『活版印刷』という言葉をご存知だろうか。鉛や樹脂で出来た版を、版画の要領で紙に押し付けて印画する印刷技法だ。かつては印刷といえば活版印刷しか無かったが、時代の流れとともにオフセット印刷に取って代わられた古い技法だ。
そんな時代に取り残された活版印刷だが、ここ数年、オフセット印刷では再現できないその独特な風合いから再び注目が集まり人気を呼んでいる。大分市内で印刷会社を経営している『高山活版社』の高山社長も活版印刷に注目している一人であり、近年再び活版印刷に力を入れているという。
株式会社高山活版社が創業したのはなんと1910年(明治43年)。100年以上もの歴史を持つ老舗企業だ。
しかし、社名に『活版』と入りつつも約40年近く活版印刷は行っていなかったというが、最近になり活版印刷を中心としたステーショナリーブランド『TAKAYAMA LETTERPRESS』を立ち上げたという。
なぜ、とうの昔に置いてきたはずの活版印刷に注目し、様々な試みを行っているのか、代表取締役の高山 英一郎さんにお話を聞いてきた。

創業100年超企業の素顔。

弊社の主な業務は、請求書や領収書などの事務用印刷物と、カラーのチラシや名刺、病院のカルテなどの印刷になります。また、最近ではTAKAYAMA LETTERPRESSという活版印刷を中心としたステーショナリーブランドを立ちあげ、『日常に活版を』ということをコンセプトに活動しています。
社名に『活版』と入っていますが、実際にはしばらくは活版印刷は行っていませんでした。私が生まれる前は大分中央警察署の前にあり、36年ほど前に現在の下郡へ移転したのですが、その時には活版印刷の活字や機械はほぼ手放していたという状態でした。
また、婚礼の印刷物も取り扱っています。ホテルで結婚披露宴を行うようになったのが40年ほど前からですが、その時に西鉄グランドホテルという現在の舞鶴橋付近にあったホテルですが、そこが開業した時に婚礼の印刷物やホテルの印刷物なども取り扱うようになりました。

活き活きと事業について語る高山さん。

顔が見える。気が利く。
それが大切。

印刷のような受注生産の場合、オンラインだけでは解決できない部分も必ず出てくる。

今はオンラインの印刷サービスもありますが、弊社は大分市内にありお客様との距離が近いですから、直接お話しをお聞きしながら丁寧なサービスを提供しています。そういった顔が見えるという部分での差別化を図っています。
また、特に結婚式の席次表などにですが、出席者の会社名が前株なのか後株なのかや、お名前が間違っていないかなどの校正作業は確実に行っています。オンラインの印刷サービスですと、そういった気が利かないことが多いですが、弊社はその部分でも差別化を図り、お客様の満足度を高める努力を行っています。

ロストテクノロジーと化しつつあった活版印刷の復興。

活版印刷はもともと海外から入ってきた印刷技術ですが、最初はアルファベットしかありませんでした。それを日本に持ち込み、日本語に合わせて発展していった技術になります。
今の印刷機は水と油は弾くという性質を使ってインクを紙に転写しています。活版印刷は、印鑑と一緒で凸版を使って印圧をかけて印刷する技術です。
今は活版印刷の機械を動かすことの出来る人も本当に一握りになり、若い時にやっていた人じゃなければ出来ないくらいのロストテクノロジーと化しつつありました。
今弊社の工場で動いている活版印刷機も40~50年ほど前の機械ですが、マニュアルを読めば印刷できるようなものでなく、一枚の紙に印圧を均等に掛けることなど感覚的な部分が非常に多いので、紙の性質や厚さなどを考慮しつつ、どういった仕上がりにするのかを考えながら印刷しないといけないので、職人的な要素が非常に強いです。
今は部長しか扱えないので、若い人にどんどん技術継承したいのですが、継承して欲しい工場長が半日活版の方に行くとその分通常の印刷業務に支障が出てしまうので、難しくて。
打開策として考えているのが動画で印刷風景を撮って、技術継承しようかなと考えています。
U-workメンバーも初めて見る活版。

U-workメンバーも初めて見る活版。

コンセプトは『日常に活版を』。

オリジナルブランドですが、コンセプトは『日常に活版を』ことで、広く浅くとは全く考えていなくて、活版の魅力に共感してくれる人に使ってもらいたいなと思って進めています。
ちょっと質のいいものを使ったり、ポストカード等に書いたりすることにこだわりや価値観を理解していただける方を対象にものづくりをしています。
もともと完全に受注生産をする会社ですから、それを売れるかどうかわからない在庫を抱えて商売するという初めての挑戦を行っている最中です。

この『風合い』は活版印刷ならでは。とても魅力的だ。

なにを作ろうかと最初は漠然としていたのですが、色々と話していく中でコンセプトは『日常に活版を』ということが決まり、昔みたいに活版の印刷物が手元にあって、すぐに使えるようなちょっと気の利いたものを作りたいなと思いました。ポストカードは早い段階で決まっていたのですが、それだけではなかなか広めていけないなと思い、便箋ですとか仕切書と納品書などの伝票も作ろうということになり、お店を経営していてそういった伝票類にまでこだわりがあり、価値観を共有できる方を対象に販売していこうと考えています。
異論も出ましたが、一緒にやっているデザイナーさんが『全て活字による活版印刷で出来ている伝票なんておそらく日本に無いから価値があります。』と。その一言でやることに決めました。
うちの部長が半月ほど活版印刷機の前で唸りながら(笑)、頑張っていたのですが、本人非常に楽しそうでした。こんなに印刷物に手間を掛けるということは僕の中には無くて、新鮮でありカルチャーショックでしたね。

『何のためにあなたは生きていますか?』

私が一昨年から社長になり、私より年上・年下の社員と居るわけですが、少し元気が無いかなと思います。昔は社長と社員が庭でキャッチボールをしつつ、でも定時で帰れてボーナスも出るという(笑)古き良き時代もあったようですが、今はやはり厳しい時代ですからその時代を知っている社員からすれば大変だろうと思います。
みんなが働きやすい職場、喋りやすい雰囲気ですとか、人の役に立てるそういう存在を目指して動いているんですが、今はそういった集団を作り上げている最中という感覚が強いです。
『何のためにあなたは生きていますか?』という質問にハッキリではなくても『僕はこういうことをやりたい、だから今、この会社で働きたい。』と答えることが出来る人、自分をハッキリと持っている人。あとは素直な考え方を持っている人と一緒に働きたいですね。

お客様の本当の目的を理解し、
役に立つものを作る。

お客様の本当の目的を理解して、役に立つものを作るという集団でありたい。

社員にいつも言ってることですが、言われたものを言われたとおりに作るのではなく、ものづくりをする会社として、お客様の役に立ち社会の役に立つものを作る会社という存在でないといけないと考えています。
例えばラーメン屋さんがチラシを作りたいと。
でも少し考えるとラーメン屋さんはチラシを作りたいんじゃなくてラーメンで売り上げを伸ばしたいんだと。作る側として、そういったお客様の本当の目的を理解して、役に立つものを作るという集団であり、会社になっていきたいなと考えています。

Editor’s Impression!

クリエイターならみんな大好き活版印刷。仕上がった印刷物だけでなく、実際の版や機械まで見せていただき、U-workメンバーも大興奮のインタビューでした。
古いからといって劣っているわけではない。常に新しいものを求め続ける私たちに、そんなことを教えてくれる素敵な場所だと感じました。
これからも高山活版社さんの活動に注目していきたいと思います!
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取材:クドウノブアキ/長谷川健治 
撮影・文:梶原勇吾(2016/01/25)

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COMPANY PROFILE

株式会社高山活版社
株式会社高山活版社

所在地
〒870-0943 大分県大分市片島尻込301-1
事業内容
請求書や領収書などの事務用印刷物、婚礼の印刷物、活版印刷を活用した商品開発など
創業
1910年(明治43年)
URL
http://www.takayamaletterpress.com/